「ナニ狙いですか・・・?」

 

背後からの声に振り向くと

見るからに「ベテラン釣り師」の

オーラを放ちまくる年配の男性が。

日曜早朝の『釣りごろつられごろ』を

絶対に欠かさずチェックしているはず。

 

私は自分の貧相な改造竿と

「2時間で2匹」の釣果と

何よりその「狙い」に気後れしつつ

「ママカリです・・」と答えます。

 

「あぁ、  ママカリですか 。。

 釣れます ?」

 

男性の表情に一瞬、

嘲笑を感じ取ってしまったのは

私の被害妄想でしょうか。

 

 

ママカリの評価は一般的に

さほど高くありません。

「雑魚」とか「外道」として

捨てられることも多い小魚で、

「ネコも食わん」と散々な扱いです。

本格的に釣りをする人からすると。

 

「でも実際に美味しいんじゃし、

素人でも簡単にいっぱい釣れて

楽しめるんじゃからええが!」と

私は必死に抗います。 心の中で。

 

しかし、報道カメラマンと

ベテラン釣り師にのみ着用が

認められている例のカーキの、

小さなポケットがたくさんある

ベストを着たその男性には、

弁解気味の常套句

繰り出すしかありません。

 

「いやぁ、今日はダメですねぇ。

 素人の釣りですし、

 まだ着いたばかりですし・・・」

 

数か月も海に出るマグロの遠洋漁業と

比べりゃ2時間なぞ「着いたばかり」。

それで9匹(うち7匹はもらいもの)

だから、一応謙遜しているわけです。

 

男性は特にリアクションもなく

私の10メートルほど隣で

本格的な釣りの準備を始め、

ものすごくきれいなフォームで

ヒューッッ! っと音を立て、

針を遠くに飛ばします。

『釣りごろつられごろ』の

BGMが聞こえてきそう。

 

 

タイムリミットが迫ってきたので

帰ることにしました。

さらに1匹釣れたので、結局、

釣具屋のおばちゃんの宣告通り

「2時間半で3匹」となりました。

すごい・・・・。的中・・・。

デスノートみたいな帳面に

「3匹」って書いていたのか?

 

見知らぬおじさんからもらった

7匹と合わせて10匹になりました。

家族にはウソさえ付けば

体裁を取り繕うことができます。

釣り道具を車に積み込み、

帰りかけた私はある衝撃の光景を

目にしてしまったのです!

 

その光景とは・・・!?

 

         長いけど、つづく。