去年の三重に続き、今年は秋田を一人旅しました。
「秋田と言えば・・・?」 で一番早く思い付いたのが、
大晦日の伝統行事「なまはげ」です。
秋田県の北西部、日本海に突き出た男鹿半島では
1年を通してなまはげに出会える場所があると聞き、
「泣くコはいねえが〜っ!!」と脅してもらいたくて、
ワクワクしながらレンタカーを飛ばしました。
国の重要無形民俗文化財に指定されているなまはげは
男鹿市にとって、観光客誘致のキラーコンテンツです。
市内のいたるところで巨大ななまはげ像や
なまはげに因んだものを発見することが出来ます。
たとえば、ある所で見つけた郵便ポストの色は
赤ではなく茶色にコーティングされていて、
なまはげの蓑をイメージしたものと推測されます。
その側面には、
アニメタッチのなまはげが。
そして、あたかも、なまはげそのものが
販売されているのかと思わせる看板があったりして、
立ち寄ってみると、きわめてオーソドックスな
農林水産物販売所だったりします。
お店のおばちゃん達や井戸端会議を楽しんでいた
地元のおじいさんもとても親切で
温かい秋田弁で商品を説明して下さり、
まったくなまはげには見えませんでした。
男鹿半島の先端の岬で見つけたのは「なまはげ御殿」。
荒くれ者のなまはげ達が海鮮丼を肴に
昔話「おむすびころりん」の鬼達のような感じで
酒盛りを楽しんでいるんだろうなぁ〜 と
警戒しながら中に入ったのですが、
ここは土産物店で、親切そうなおじさんが
こちらも温かい秋田弁で接客してくれました。
写真には撮りませんでしたが、みんなニコニコ、
みんな親切、みんな柔らかい秋田弁・・・・。
しかし、その笑顔に騙されてはいけません。
彼らは年に1度、大晦日の夜になると、
なまはげに豹変してしまうのです。
ドスの効いた秋田弁で子供達を恐怖の底に突き落とすのです。
いや、シーズンオフの観光客に対してさえ、
いつその本性をむき出しにするかわかりません・・・。
男鹿市民全員が、何かのスイッチが入った瞬間に
なまはげの姿に戻り、私に襲いかかってくるに
違いありません。
そんなことを考え始めたら怖くなり、
何度も何度も後ろを振り返りながら
逃げるようにして土産物店を後にしました。